6月上旬〜産業医穂積桜の読書日記
人事労務の分野では、ワークライフバランスで有名な小室淑恵さんの労働時間革命、アマゾンで高評価だった南和気さんの世界最強人事を読みました。
産業医面接では認知行動療法のお勧め本をお問い合わせいただくことが結構あるので、6月上旬の読書リストは認知行動療法関係の本を中心にラインアップしました。
認知行動療法関係の本はほかにもたくさん出ているので、今後も読んで記録を残していきたいと思っています。*あと、認知行動療法はウェブ上のサービスも出てきているので、今後試用してみて、このブログで報告したいと思います。
1:労働時間革命 残業削減で業績向上! その仕組みが分かる 小室淑恵 毎日新聞出版 (2016/3/24)
p25 長時間労働は”勝つための手段”ではなく”負けている原因”という一文が印象的でした。
論理を展開するベースになっているデータを丁寧に集めている点と、実際にコンサルティングに入った企業の実例が多く載っているのがいいです。一読の価値あると思います。
2:世界最強人事 グローバル競争で勝つ 日本発・人材マネジメント 南和気 幻冬舎 (2015/10/10)
アマゾンで高評価だったので書いました。日本企業はグローバル視点の人事への転換が絶対必要!という前提で始まっている本なのですが、その主張の裏付けとなるデータがほとんど記載されていないのが個人的には物足りないです。
3:心が晴れるノート 大野裕 創元社 (2003/3/20)
認知行動療法を日本で広めたことで超有名な大野先生のご著書。薄いながらも、日本に認知行動療法を広めるぞ!という心意気が感じられます。よって、使われる技術が教科書的にに盛り込んであります。整然と書いてあるので、論理的な方には向いていると思いますが、人によっては引っかかりがなくて使いにくいかもしれないとも思います。また、理解しながら進んでいくタイプの本なので、本書を使う前提として、仕事に行けるレベルの集中力が必要と思います。
4:気持ちの整理練習帖 不思議なくらい心が軽くなる26のスイッチ 大野裕 三笠書房 (2013/7/2)
1の心が晴れるノートから10年後に出版された大野先生の本。26のレッスンといった内容なので、1日に1レッスンずつ進んでいけますので、集中力が落ちて仕事を休みがちになってきている(=勤怠不安定)状態の人や、休職中の方で復職が視野に入ってきた段階でも取り組みやすいものだと思います。逆に網羅的ではないので、理解したい!といった方には向いていません。絵が少ないので、絵が多い方が取り組みやすい人は3をお勧めします。
5:心がすっと軽くなる認知行動療法ノート―自分でできる27のプチレッスン― 福井 至 (監修), 貝谷 久宣 (監修) ナツメ社 (2015/4/7)
副題にあるように―自分でできる27のプチレッスン―なので、認知行動療法を体系的に学んでいくというよりも、毎日1つずつプチレッスンをしてみる内容です。絵が多いのと1日にやるのは1レッスンと決められるので、勤怠不安定の人や、休職中の方で復職が視野に入ってきた段階でも取り組みやすいものだと思います。体系的に読み進んでいきたい人にはわかりにくい構成かもしれません。
6:保健、医療、福祉、教育にいかす 簡易型認知行動療法実践マニュアル 大野 裕 (著), 田中克俊 (著) きずな出版 (2017/1/27)
この本は一般の方にはお勧めしません。産業医・保健師をはじめとする企業内の保健衛生スタッフや、保健教育に携わる方々にはとてもお勧めの本です。
お勧めのポイントとしては、この本に連動したウェブサイトがあって、認知行動療法について説明する動画やスライドをダウンロードすることができます!これがとても便利。
番外編
7:総理の夫 First Gentleman 原田マハ 実業之日本社 (2016/12/3)
楽園のカンヴァスが面白かったから(あと、本屋に平積みされているので)買ってみました。疲れたときに気楽に読めます。個人的には楽園のカンヴァスのほうが面白かったけど〜