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6月下旬〜産業医穂積桜の読書日記

6月下旬、一番印象深かったのは産経新聞社論説委員の河合雅司さんの”未来の年表”。ニュースフィードに流れていた http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51994 の記事を読んで興味を持ったもの。(上記読んでもらえれば内容の6割くらいが把握できる)

人事労務分野では前回に引き続きワークライフバランス社小室淑恵さんの”人生プレゼン術”。

メンタル分野では、引き続き産業医面接や診療においてクライアントにお勧めできる本を探す、という目線で読書しています。自称ネガティブクイーン細川貂貂さんの”それでいい”、作業療法士菅原洋平さんの”あなたの人生を変える睡眠の法則”ほか、強迫性障害の治療にまつわる本など読みました。

1:未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書) 河合雅司 講談社 (2017/6/14)

これはまさに不都合な真実を露わにする本だなあと思いました。

本文中p8に記載されている国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口のグラフからも、この50年の人口減のカーブが非常に急であることがわかる。

p10 2025年を前にしてダブルケア(育児と介護を同時に行う)が大問題となり、高齢者数がピークを迎える2042年頃には、無年金・低年金の貧しく身寄りのない高齢者(私たち世代)が街に溢れかえり、生活保護受給者が激増して国家財政がパンクするのではと心配される。

著者は、人口激減後を見据えたコンパクトで効率的な国への作り替えを提言している。

ところで私が不思議なのは、人口の増減は昔からある程度予想ができていたはずなのに、なぜ予防措置がとれないのかということなんだけれども、まさにこれは長時間労働や働き方の改善に反対する会社風土と同じ仕組みかもしれないなあ。

2:最大のチャンスと最高の評価を手に入れる!小室淑恵の人生プレゼン術 小室淑恵 学研マーケティング (2013/7/9)

人前で話す機会が増えそうなので手に取った一冊。単なるプレゼンの本かと思いきや、駆け出しビジネスマンに向けて、日々の社会人生活で起こりがちなシーンを例にしながら、動機づけ、情報の集め方、発信の際の上手な伝え方と人間関係の築き方などなど、小室さんが個人的に見つけて乗り越えてきたんだろうなあということが丁寧に書いてあっていい本でした。学生や社会人になりたての頃にこんな本に出会えるといいな。

3:それでいい。:自分を認めてラクになる対人関係入門 細川貂貂 水島広子 創元社 (2017/6/22)

先週名古屋で精神神経学会があって。学会に行くと学会場に本屋さんが小さい出店を出しているんです。紀伊国屋とか、丸善とか。そこで立ち読みをして、読みやすそうだったので買いました。

水島広子さんは著名な対人関係療法の専門家。何気ない診療場面を漫画にしてあるので、精神科医としては”あたりまえのことが書いてあってとくになんの感想も湧かない本だ”と思ったんですが、amazonは軒並み高評価でびっくり。いつも自分に駄目出しをしている人に寄り添ってくれる内容です。

”うつヌケ”もそうですが、漫画はやっぱり行間を伝えられて、精神科医療についてお伝えするにはとてもいいですね。

4:あなたの人生を変える睡眠の法則 菅原洋平 自由国民社 (2012/9/12)

健康に関する情報発信を積極的にされている作業療法士の菅原洋平さんの本。産業医をしていて、睡眠に関する知識が乏しいために体調を崩す人が本当に多いと感じています。この本はシンプルでわかりやすく、すぐにやれそうなことを書いてあるので、最初の一冊にお勧めです。

朝:太陽の光を浴びる 昼:起床から6時間後に5分間目を閉じる 夕:軽く歩くなど運動して深部体温を上げる

5:実体験に基づく強迫性障害 克服の鉄則 田村浩二 星和書店; 増補改訂版 (2014/7/26)

ご自身が強迫性障害を克服された体験をまとめている非常に優れた本です。たくさん治療を経験しても、体験した人にしか語れない説得力のある話があると思っており、当事者の方が書く本が好きなのですが、この本もそういった一冊です。強迫性障害の方には必ずお勧めしたい一冊。ちなみに田村さんは強迫性障害のコンサル(ピアカウンセリング)をされているそうです。

ほか

自分の勉強

精神科臨床サービス 第15巻1号、2号 星和書店 2015 をよみました。あと、サピエンス全史もよみかけ。。

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